紫式部が生涯に一度、平安京を離れて1年半ほど暮らした福井県越前市を訪ねます。長徳2(996)年夏、越前守に任じられた父の赴任に同行し、琵琶湖を舟で北上、輿(こし)に乗って5日ほどかかって武生(たけふ)盆地へ。周囲を日野山(ひのさん)(794m)などの山々に囲まれ、日野川や豊富な地下水に恵まれた町は古くから稲作や紙すきがさかんな豊かな土地で、越前国の国府も置かれていました。国司の官舎で父をささえた式部は、のちに『源氏物語』に武生の地名を登場させています。式部が目にした山や川、国府跡推定地など、紫式部ブームがおきている旧武生市街地を歩きます。
写真はいずれも越前市東千福町の紫式部公園で