岡山県の美作地方、備前地方を訪ねます。
津山市の大名庭園、衆楽園(旧津山藩別邸庭園、国指定名勝)は江戸時代の津山藩主、森長継が京都の仙洞御所を模して造ったと言われる17世紀の池泉回遊式庭園で、桜、睡蓮、紅葉、雪景色など四季折々の変化が楽しめます。園内の過半を占める広い池には四つの中島が浮かび、池の北東側に設けられた曲水が風景に変化を与えています。
備前市の旧閑谷(しずたに)学校(国の特別史跡)は江戸時代の岡山藩主、池田光政が1670年に開校した藩の領民を対象とする教育施設で、現存する世界最古の庶民のための公立学校とされます。備前焼の瓦ぶきの講堂(国宝)をはじめ中国の建築様式を模した格調高い正門、孔子の生地である中国山東省曲阜から種を持ち帰って植えた2本の楷(かい)の木、延長765mに及ぶかまぼこ型の石塀(せきへい)などが独特の壮麗な景観をかたちづくっています。
勝田郡奈義町の奈義町現代美術館は世界的に活躍した建築家、磯崎新氏の設計により1994年に開館しました。4人の芸術家に、一般の美術館では収集不可能な巨大な常設展示作品をあらかじめ制作依頼し、磯崎氏が芸術家たちと相談して作品と一体化した建物を設計した、世界に類のない美術館です。常設展示作品の一つ≪遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体≫(荒川修作+マドリン・ギンズ)は龍安寺の石庭をモチーフにした円筒形の空間です。
昼食は津山市のイタリアンレストラン「リストランテ・シエロ」でランチコースをお召し上がりください。「ミシュランガイド岡山2021」でミシュランプレートに選ばれた人気店です。