毎日山の旅日記

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関西/大阪枚岡山・額田山ナイトハイクへのお誘い

 近鉄奈良線の瓢箪山駅を過ぎると、近鉄の各駅停車の電車は山裾を左にカーブしながら、徐々に高度を上げて行きます。高度が上がるとともに、車窓からは、住宅の合間を通して、大阪平野の広がりが見えてきます。目的地の駅、「枚岡駅」に到着。枚岡駅は1914年(大正3年)4月30日に近鉄電車の前身、大阪電気軌道の駅として開業。近鉄電車のHPでは、一日の乗降数は5168人(平成27年11月10日)と紹介されています。駅名の由来は、隣接する枚岡神社からとも言われています。登山口となる枚岡神社の歴史は古く、枚岡神社のHPでは、神武天皇が大和の地で即位される以前に創建されたと紹介されています。今回は、その歴史ある枚岡神社から枚岡山に登り、額田山までの夜景を楽しむ「ナイトハイク」をご紹介します。

 
枚岡山展望台からの大阪平野の夜景 枚岡山展望台からの大阪平野の夜景
 枚岡駅から枚岡神社の二の鳥居をくぐり、参道広場へと向かいます。正面の石段を上がれば、拝殿、本殿へと続きますが、今回は参道広場を左に折れて登山口へと向かいます。登山口には、もの悲しい伝説を伝えている姥ヶ池があり、枚岡山への登りが始まります。登山道は良く整備されており、灯りを照らしながら歩くこと約10分で、枚岡山への分岐に到着。分岐を右に折れて、最初の目的地である枚岡山展望台までの登りは約15分です。
 
 
枚岡神社の「二の鳥居」。「一の鳥居」は近鉄奈良線を越えて下った町中に設置されている 枚岡神社の「二の鳥居」。「一の鳥居」は近鉄奈良線を越えて下った町中に設置されている
 登山道から振り返ると木々の合間から大阪平野の灯りが見え隠れし、近鉄電車が走る音も聞こえてきます。枚岡山展望台に到着です。眼下には大阪平野の夜景が広がっています。「あべのハルカス」「東大阪市役所」などが、それぞれの灯りに縁どられて輝いています。伊丹空港へ着陸する飛行機のランプも目で追うことができます。このキラキラと輝く展望を楽しむことが、ナイトハイクの醍醐味のひとつです。夜景の中で圧倒的な存在感を示す「あべのハルカス」は、2014年に竣工。60階建て、高さ300㍍。高さは日本一。眼下にキラキラと輝く東大阪市は、昭和42年、布施市と河内市と枚岡市が合併して誕生。現在は東西の長さ11.2km、南北の長さ7.9㎞、面積61.78平方㎞となり、筆者を含めた約49万人(平成30年9月現在)の方が暮らす「ものづくり・ラグビーの町」です。最初の展望を堪能したら、枚岡山展望台を後にしましょう。
 
枚岡山展望台と大阪平野の夜景 枚岡山展望台と大阪平野の夜景

 枚岡山展望台から足元を照らしながら登山道を下ります。登山道を下ると東大阪市と奈良県生駒市をつなぐ国道308号線と交差します。この国道を登ると、大阪府と奈良県の県境の手前が石畳になっているという「暗峠(くらがりとうげ)」へと続きます。「酷道マニア」の間ではかなり有名です。大阪平野の夜景を木々の合間に見ながら、額田山展望台を目指します。休日は生駒山へと向かう登山者をよく見かけますが、ナイトハイクでは、誰とも行き交うこともありません。この国道308号線と登山道が交差する地点から、額田山展望台まで登ります。

 

 

枚岡山からは右の赤い橋へ下ってくる。写真の左側の登りが暗峠へと続く道 枚岡山からは右の赤い橋へ下ってくる。写真の左側の登りが暗峠へと続く道
 額田山展望台からも素晴らしい夜景が眼下に広がります。この展望台からは、大阪府北部の夜景がより一層広がって見ることができます。山裾には近鉄奈良線が走り、目を上げると大阪駅周辺の高層ビル群、鶴見緑地などが目を楽しませてくれます。高層ビル群には、航空障害灯と呼ばれる赤く点滅するランプが付いています。このランプは、高さ60㍍以上のビルに設置が義務付けられています。額田山展望台にも、展望表示板が設置されており、しっかりとしたベンチと屋根も設置され、誰が掃き掃をされているのでしょうか。いつ訪れても小ぎれいに清掃されています。
 
 
 
 
額田山展望台と大阪平野の夜景 額田山展望台と大阪平野の夜景

 額田山展望台を後に、中展望台へと向かいます。中展望台は、標高も少し下がり、コンパクトでお手軽な展望台です。この展望台から、大阪平野の夜景の展望を楽しんで枚岡公園に下ります。枚岡公園は四季折々、桜や紫陽花に彩られる公園として多くのハイカーたちに親しまれています。枚岡公園から車道を歩いて近鉄額田(ぬかた)駅に下りましょう。

枚岡公園に下山。ここからもう少し下ると近鉄額田駅だ 枚岡公園に下山。ここからもう少し下ると近鉄額田駅だ

 額田駅も枚岡駅同様、各駅停車のみが停車するコンパクトな駅。一日の乗降人員は3,535人(平成27年11月10日)。近鉄奈良線で最も乗降人数の少ない駅です。額田駅も1920年(大正9)7月13日に大阪電気鉄道により開業したと紹介されています。駅の山側には大きな桜が駅のシンボルツリーとなっています。額田駅に到着です。ここまで夜景を楽しむナイトハイクをご案内してきました。皆さんもキラキラ輝く夜景を見にナイトハイクに出かけませんか。ご参加をお待ちしています。

 

ツアーのお申し込みはこちらから<18231>枚岡山・額田山ナイトハイク

桜の大木と近鉄額田駅 桜の大木と近鉄額田駅

●コースと注意点●

 ヘッドランプと予備電池は必携。季節に応じた服装で。生駒山への登山道は複数あり、枚岡公園内には標識が整備されているが、登山道が入り組んでいる場所もあるので事前に確認したい。水場とトイレは、枚岡神社、国道308号線との交差地点、枚岡公園(額田側)にある。夜景を楽しむために「双眼鏡」のご持参もお勧め。夜景は少し気温の下がった空気の良く澄んだ日がおすすめ。ナイトハイクの単独行は厳禁。

●参考・引用HP等●

 東大阪市役所HP・枚岡神社HP・近畿日本鉄道HP(安全快適な輸送を目指して)

◎筆者プロフィール◎

 猪井将光(いのいまさみつ) 島根県出雲市生まれ大阪育ち。「毎日山の旅」国内登山担当、元日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。毎日ジュニアサッカースクール監督、日本サッカー協会公認指導者。

中展望台からの眺め。一番明るい所は外環沿いのパチンコ店が並んでいる 中展望台からの眺め。一番明るい所は外環沿いのパチンコ店が並んでいる
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