2. 登山用ザックの選び方
日本では一般的に「ザック」と呼んでいますが、ドイツ語ではリュックサックまたは、ルックサック、英語ではバックパックと呼ばれています。
呼び名も色々あるように、ザックは目的と用途に合わせて様々な種類があります。
ザックも登山靴と同じで、山行の日数、目的の山岳、山行スタイルに合わせて大きさや形が変わってきますので、どうしても複数個必要となってきます。
ザックは大きさ(容量)を表す際にリットルで表示しています。ザックを購入する際には、防水対策として、ザックのサイズに合わせたザックカバーも購入すると安心です。
また、大きなザックを購入される際には、ご自身の背中の長さとバックレングスというザックの背面の長さが合ったものを選んでください。
ザックには各箇所にジッパーやポケット、既にザックカバーが付いているザックや、昔ながらのシンプルなスタイルのザックもありますのでお好みに合わせて選んでください。
- 日帰り山行用ザック
- ザックの大きさは、25〜30リットル程度が必要です。
ティアドロップ形(涙形)のデイパック型ではなく、雨蓋付きでショルダーストラップの調節機能が付いたアウトドアのメーカーが作成したザックを選んでください。
街中で背負うザックと登山用のザックでは作りの堅牢性が違いますので注意が必要です。小さいザックに荷物をパンパンに入れて歩いている方を見かけますが、その状態での歩行は、背中でザックがゴロゴロしバランスを崩す原因となります。
日帰り用のザックとはいえ、汗をかいた時には、上着を収納できるくらいの少し余裕を持った大きさのものを選んでください。
- 1泊〜3泊程度の山小屋利用のザック
- ザックの大きさは、30リットル以上の雨蓋がついたものを選んでください。
雨具、水筒、行動食、着替え、防寒着、貴重品、カメラ、携帯電話、筆記具、地図とコンパス、ヘッドランプ、そして昼食弁当などが入る容量が必要です。
購入する際は、実際に背負ってショルダーストラップやウエストベルトを調節し、ご自身にフィットするかどうか、必ず背負ってみてください。そして、「このサイズでどうかなあ」と思ったら登山用品店の店員さんに相談しましょう。
ショルダーストラップがついていても、バックレングスと言われるザック背面の長さがご自身の背中の長さと合っていないとそのザックのサイズは適正とは言えません。
この30リットル〜50リットルのザックは、販売されている種類も最も多く、夏山縦走に適したザックです。
- 縦走テント泊でのザック
- テント泊でのザックの大きさは、50リットル以上は必要です。
大きいものでは80リットル〜100リットルのザックもあり、山小屋泊の携行品に加えて、テント一式、食器やバーナーなどの自炊道具、日数分の食糧、シュラフ、シュラフカバーやマットレスなどが必要です。当然、大きくて重たいザックを背負っての歩行となりますので体力、脚力も必要です。
大きなザックで重たい荷物を背負うのですから、ショルダーストラップやウエストベルトの調節機能、荷物が増えた際に対応できる雨蓋の上下移動、バックレングスが自分の背中の長さに合っているものを選んでください。